腸内環境改善で幸せ
神経伝達物質のセロトニンは覚醒状態を調整したり、意欲や気力などに影響したりと、感情をコントロールすることから『幸せホルモン』とも呼ばれるという話は以前にお伝えしました。
ホルモンは本来脳で作られますが、セロトニンの場合、脳で生成されるのは全体のわずか5%ほどでほとんどが腸で作られると言われていてその働きは異なり、腸の蠕動運動の促進や、骨の形成の役割を担っています。腸で作られたセロトニンは脳に影響こそありますが直接脳内に入ることはありません。では、腸で作られたセロトニンでは幸せを感じる事が出来ないのでしょうか?
セロトニンが多く分泌されると蝶の蠕動運動を促進するため便通改善につながります。便秘に悩む人にはそれだけでも『幸せホルモン』といえるかもしれません。
さらに腸には全身の7割にも及ぶ免疫細胞が存在しているとも言われています。腸内環境を整える効果のあるセロトニンの分泌は病気にかかりにくい身体づくりには欠かせません。
そして、セロトニンには精神を安定させる役割がありますが、実は満腹感にも影響します。強いストレスやイライラした時に甘いものや肉類が食べたくなった経験はないでしょうか? 精神が不安定になると大してお腹が空いていない状態でも「食べたい!」という欲求が現れます。これは不安定な精神を安定させるためのセロトニンは甘い物や肉類を食べると一時的に分泌量が増えるからです。これを繰り返していると食欲を調整するレプチンというホルモンの働きが鈍くなります。満腹であるはずなのに「食べたい!」という欲求が強くなってレプチン受容体の感受性が鈍くなり満腹サインに気づけなくなるのです。
精神を安定させるセロトニンは脳内で作られる量が少ないため食べ物を通して腸で生成させる必要があります。乳製品や大豆製品、肉類にはセロトニンの原料となるトリプトファンが多く含まれています。
腸内環境の安定は精神を安定させ、それはダイエットの本来の意味である食事療法といえるのです。幸せ=正しい生活習慣と正しい食事という事です。