強いマッサージと弱いマッサージの効果
マッサージを受ける時強い方がより効果があるので痛みに我慢をして受けるという方は割と多くいます。これは実際の所どうなのでしょう?
マッサージをする時いわゆるコリを解すという事になりますが、コリの原因は筋肉の緊張であったり、ファシアの硬化であったりします。筋肉の緊張を解す場合ある程度強いマッサージであってもいいのかもしれませんが実際それほど強いマッサージをしなくても奥まで指は届きます。皮膚から骨まではそれほど深くの無いのです。
また、ファシアの場合は比較的皮膚に近い場所を解すことになります。特に肩回りがガチガチになっている方の場合は強く解さないといけないと感じるでしょうが、実際に硬くなっているのは奥深い筋肉ではないので強くやれば解れるというわけではありません。むしろ優しく擦ってあげるほうが柔らかくなる場合もあります。
じゃあ強いマッサージは間違っているのかといわれると、一概にそうとは言い切れないのです。弱いマッサージの場合コリが強い方には効いているという感覚がありません。正しい力加減で解していても効いていると感じなければ効果は半減してしまいます。特にマッサージ慣れてしてしまっている方はいわゆる感覚のマヒが起こっているのでこちらが心配になるくらいの力で解さなければ聞いていると感じなくなってしまっています。ただ、ここまで感覚がマヒしてしまっていると最終的には解せる人がいなくなるので感覚を正常に戻す方法を考える必要があります。ここまで強いマッサージが必要は方の場合、強いマッサージを我慢して受けたり、毎日のようにマッサージ機で解していたりする場合が多いです。強いマッサージは筋繊維を傷つけます。数日で回復するのですが、回復していない間にまた強いマッサージを受けたりしている内に筋肉が余計に硬化してしまうのです。そうするとより強いマッサージを求め、最終的には何をやっても気持ちいいと感じなくなります。
他にもホルモンが関係しています。マッサージを受けると、幸せホルモンの「オキシトシン」や「ドーパミン」が分泌されますが、さらに強いマッサージを我慢して受けた場合、その痛みから解放された時に「β‐エンドルフィン」も分泌されると考えられます。これはサウナで”ととのう”のと同じような状態です。これらの幸せホルモンの分泌は適度であれば体に良い影響を与えてくれます。ただし、その強いマッサージの痛みに慣れると当然分泌量は減少します。
強いマッサージと弱いマッサージのどちらが良いかと聞かれるとどちらにも一長一短ありますが、長い目で見た時は強いマッサージの方がデメリットが多いのではないかと思います。
やはり気持ちいいと思える適度な力加減のマッサージが一番効果的なのではないでしょうか。