強いマッサージと弱いマッサージ、効果があるのはどっち?

「もっと強く押してください。」

整体やマッサージをしていると、このようにお願いされることがよくあります。

「強いほど効く」「痛いほどコリが取れる」と思っている方も多いのではないでしょうか。

では、本当に強いマッサージほど効果があるのでしょうか?

コリは強く押さないとほぐれない?

肩こりや腰痛の原因は、筋肉の緊張だけとは限りません。

姿勢や生活習慣、ストレス、そして筋肉を包むファシア(筋膜などを含む組織)の動きが関係している場合もあると考えられています。

「奥のコリだから強く押さないと届かない」と思われがちですが、実際には皮膚から筋肉までの距離はそれほど深いわけではありません。

また、ファシアは比較的浅い部分にも存在しています。

私は施術を続けてきた中で、必ずしも強い刺激ではなく、優しく丁寧な施術の方が身体が変化しやすい方を多く見てきました。

強ければ強いほど効果があるわけではありません

もちろん、弱すぎる刺激では物足りなく感じる方もいます。

特に普段から強い刺激に慣れている方は、「効いている感じ」がしないこともあるでしょう。

しかし、その「効いている感じ」が、本当に身体にとって良い刺激とは限りません。

必要以上に強い刺激を繰り返すことで、筋肉や周囲の組織に負担がかかることもあります。

また、強い刺激ばかりを求めるようになると、「もっと強くないと気持ちよくない」と感じるようになってしまう場合もあります。

「気持ちいい」と感じる理由

マッサージを受けると、リラックスしたり、気持ちが落ち着いたりすることがあります。

これは、心と身体のリラックスに関わる神経伝達物質やホルモンが関係していると考えられています。

一方で、強い痛みを伴う刺激では、身体を守る反応としてβ-エンドルフィンなどが関わり、一時的に「スッキリした」と感じることがあります。

ただし、その爽快感だけを求めて強い刺激を繰り返すことが、必ずしも身体にとって良いとは限りません。

私が大切にしていること

ここからは私自身の考えです。

施術で一番大切なのは、「強さ」ではなく、その人の身体に合った刺激です。

身体が警戒して力んでしまうほどの強い刺激では、かえって筋肉が緊張してしまうこともあります。

反対に、心地よく呼吸ができ、「気持ちいい」と感じられる程度の刺激であれば、身体はリラックスしやすく、本来持っている回復する力も働きやすくなると私は考えています。

もちろん、強めの刺激が合う方もいれば、優しい刺激の方が合う方もいます。

大切なのは、「強い・弱い」ではなく、その日の体調や身体の状態に合わせた施術を選ぶことです。

まとめ

私は24年以上施術を続けてきて、一番身体が変化しやすいのは、

「もう少し受けていたい。」

そう感じるくらいの心地よい刺激だと感じています。

だから私は、痛みを我慢するような施術ではなく、お客様一人ひとりの身体の反応を見ながら、その日に合った力加減を大切にしています。

「強いマッサージが良い」「弱いマッサージが良い」と決めつけるのではなく、自分の身体に合った施術を見つけることが、健康への近道だと私は考えています。

※このコラムは、20年以上整体施術を行ってきた経験と、現在の知見を参考にしながら執筆しています。内容には私自身の考察も含まれます。