ストレスと肩こり ~身体はまだ戦っている?~

「ストレスで肩がこる。」

一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。

仕事で嫌なことがあった日や、大切な予定を控えた前日に、首や肩がガチガチになった経験がある方も多いと思います。

では、なぜストレスを感じると身体は硬くなるのでしょうか。

今回は、現在分かっていることと、私自身の考えを分けてお話ししたいと思います。

ストレスを感じると身体では何が起きる?

私たちの身体は危険を感じると、自律神経やホルモンが働きます。

前回のコラムでもお話ししたように、ホルモンは身体の中で情報を伝える「メッセンジャー」のような存在です。

危険を感じると、

「すぐに動けるように。」

「身体を守れるように。」

そんな情報が神経やホルモンを通して全身へ伝えられます。

すると心拍数が上がり、呼吸が速くなり、筋肉にも自然と力が入ります。

これは異常な反応ではなく、自分の身を守るために備わった大切な仕組みです。

危険が去れば、身体は少しずつ緊張を解き、元の状態へ戻っていきます。

しかし、ストレスが長く続くと、この反応も長引くことがあると考えられています。

もちろん、肩こりには姿勢や運動不足、睡眠不足など様々な要因があり、ストレスだけが原因ではありません。

ここからは私自身の考えです。

私は、慢性的な肩こりを「籠城戦」に例えることがあります。

昔、人間も動物も敵が現れれば戦うか、逃げるかを選んできました。

そして敵がいなくなれば、身体は安心して緊張を解き、普段の生活へ戻ります。

でも、人間には他の動物とは少し違う特徴があります。

それは、過去を思い返したり、未来を想像したりできることです。

「あの時の失敗をまた繰り返したらどうしよう。」

「また同じことが起こるかもしれない。」

そんなことを何度も考えていると、実際には危険が目の前になくても、脳は「まだ危険は終わっていない」と感じてしまうことがあるのではないでしょうか。

すると、前回お話ししたホルモンや神経も、

「まだ身体を守らなければ。」

という働きを続けることがあるのではないか。

私は、その結果として首や肩の緊張が抜けにくくなることがあると考えています。

私は、この状態を「籠城戦」とイメージしています。

敵はもういない。

それでも身体は、あなたを守ろうとして戦いを続けている。

そんな状態です。

まとめ

ストレスと肩こりの関係については、まだすべてが解明されているわけではありません。

肩こりには姿勢や運動不足、睡眠、生活習慣など様々な要因が関係しており、一つの原因だけで説明することはできません。

それでも私は、人間は「考える力」があるからこそ、身体が戦いを終えられなくなることがあるのではないかと考えています。

嫌な出来事を何度も思い返したり、未来を心配したりすることで、身体はまだ危険が続いていると感じ、神経やホルモンによる反応も長引いてしまう。

私は、その状態を「籠城戦」と呼んでいます。

もちろん、これは私自身の考えであり、現時点で証明された理論ではありません。

それでも、もし身体が理由もなく硬くなっているのではなく、あなたを守ろうとして緊張しているのだとしたら、「肩こり」に対する見方も少し変わるかもしれません。

だから新しく始める巡緩整体では、肩こりを「ほぐすこと」だけを目的にするのではなく、

身体が「もう大丈夫」と安心し、長かった籠城戦を終えられること。

そこを大切にしています。

身体には、本来備わっている回復する力があります。

私は、その力を引き出すためのお手伝いができればと思っています。

※このコラムは、20年以上整体施術を行ってきた経験と、現在の知見を参考にしながら執筆しています。内容には私自身の考察も含まれます。